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「国境」黒川博行

「国境」黒川博行ー最悪コンビがあの秘密の国で大暴れ、実は命からがら物語

黒川博行氏は1949年、愛媛県今治市の生まれです。

京都市立芸術大学美術学部卒業の後、スーパーの社員、教員という異色の経歴の後、1983年から作家活動を始められています。

1986年サントリーミステリー大賞、2014年直木賞を受賞されている人気作家です。

この「国境」の前にも同じ登場人物による「疫病神」という作品があったのですがこれも実に面白いです。

昨日、建設コンサルタントという業種についてお話をしたときに、そう言えばこの「疫病神」「国境」シリーズの主人公は建設コンサルタントという仕事をしていたなと思い出しました。

それで今日はとりあえず「国境」を紹介することにしました。

「国境」出だしのあらすじ


建設コンサルタントを自称する二宮はくすぶった生活をしていました。

建設コンサルタントと言っても土建業者の下請けを紹介したり、地元の利権に絡んだりとかなりグレーな仕事を生業としています。

あるとき、二宮のところにおいしい話が転がり込んできました。

張成恨(チョウソングンという男が北朝鮮に輸出する重機を斡旋してほしいと依頼してきたのです。

口利きだけでまとまった金が入ると喜んだ二宮は張に建設機械を調達してくれる業者を紹介してやります。

ところが張はその代金を決済せず姿を消し、二宮は業者が依頼したその筋から支払いを請求されてにっちもさっちも行かない状況に追い込まれます。

一方、関西の組関係ではかなり知られた顔の桑原はに、自分の組の若頭が張の持ち込んだ偽投資話に乗せられて騙し取られた金を取り戻すよう厳命され、こちらも切羽詰った状況にありました。

情報によれば張はどうやら北朝鮮に潜伏している模様。

桑原は同じようにドツボにはまっている二宮を誘って、というより半分脅し上げて張を追って北に向かうことにしたのです。

果たして二宮は大阪で一番会いたくない男、桑原とあの秘密の国へ出向いて張を探し当てることができるのか。

物語は二転三転の上、ハラハラドキドキの展開を見せます。

「国境」の読後感


舞台が北朝鮮という非凡な発想が素晴らしいですね。
近くて遠い国として余りにも有名でそしてその実態を誰も知らないと言う謎の国です。

そしてもう一方の舞台が大阪。
だからこその面白さがあります。

作者の黒川氏が関西在住なので、至るところに大阪ならではのボケ、ツッコミ、ギャグが散りばめられています。

主人公二宮と桑原の関係性も実に関西風で面白いです。

二宮は桑原を大阪で一番会いたくない男、疫病神と嫌っていますが心のどこかで頼りにしている部分があります。

また、桑原は義理人情に厚い任侠の男かと思えばドライで現代風の冷たさも併せ持っています。
それでいてこれまた心のどこかで二宮を弟分のように思ったりもしています。

この二人が謎多き国でいかに立ち回るのか興味は尽きません。

そして何と言っても彼の国の現状、実態を詳細に記述している黒川氏の筆力に感服です。

見てきたんですか?と思わず訊いてみたくなるほどのリアリティさです。

読んで損はない、一気読み間違いなしの作品です。

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