EV車はガソリン車より早く発明されていた!普及が遅いのはなぜ?

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電気自動車(EV)について調べていると面白い事実に突き当たりました。

それはEVの歴史です。

そこで、ここでは
(1)EVの誕生
(2)ガソリン車の台頭
(3)マスキー法とオイルショック
(4)ZEV構想
(5)グリーン・ニューディール政策
についてまとめてみます。

(1)EVの誕生

EVが誕生したのは19世紀半ば~20世紀初頭と言われています。

ガソリン車は、1800年代後半にドイツのカール・ベンツが発明し、1900年初頭にはドイツ国内において富裕層向けに発売されました。

しかし、EVはそれより前の1800年代半ばにイギリスで発明され、ガソリン車が発売される5年前にはイギリス国内において発売されていたそうです。

アメリカの発明家トーマス・エジソンや、ポルシェの創業者フェルナンド・ポルシェも、EVの開発・改良に着手しており、当時はEVに対して非常に関心が高かったようです。

実際に 1900年頃の自動車の動力別シェアは、ガソリン車が全体の2割程度であるのに対して、EVは4割程度のシェアを占めていたと言われています。
残りの4割は蒸気自動車だそうです。

(2)ガソリン車の台頭

ガソリン車が広く普及してきたのは20世紀初頭~半ばです。

1908年に販売を開始した米フォード車「Ford Model T(T型フォード)がそれまでのEVの優位性を大きく変えることとなりました。

T型フォードは低価格を武器に販売され、これまで自動車に手の届かなかった庶民からも人気を集めました。

販売台数を伸ばしたフォードがベルトコンベアによる大量生産方式を確立したため、ガソリン車の生産コストはだんだんと下がり、更なる値下げが可能という好循環が生まれたのです。

需要の増加を背景にガソリン車を取巻く環境は改善されました。

一方、「コスト高」、「走行距離が短い」、「充電インフラが少ない」といった課題を解決できないEVは徐々に主役の座をガソリン車に譲っていったのです。

(3)マスキー法とオイルショック

1970年に入ると、アメリカの排ガス規制であるマスキー法が制定されたりオイルショックの影響で再びEVに注目が集まるようになりました。

マスキー法は1963年に米国で制定された大気浄化法を改定したもので、アメリカ上院議員のエドムンド・マスキーが提案したことからこう呼ばれるようになりました。

この法律は、1975年以降に製造される自動車は一酸化炭素と炭化水素を、1976年以降は窒素酸化物も含め、1970~71年と比較してそれぞれ10分の1に抑えなければならないというものであり、遵守できない場合は自動車の販売を禁止するという罰則もあり、企業にとって大変厳しいものでした。

1973年にはオイルショックが起こり、ガソリン価格が高騰するとともに、仕入れ量の制限などから品薄状態が続き、自動車を動かせない人々が増加しました。

ガソリン車に対する逆風の中で、EVが再び脚光を浴びるようになったのです。

しかし、この時も「コスト高」、「走行距離が短い」といった技術面の課題をクリアできず、EVが完全に主役に返り咲くことはありませんでした。

(4)ZEV構想

1990年にカリフォルニア州大気資源局(CARB)がZEV3法を制定したことにより、三度(みたび)EVに注目が集まるようになりました。

ZEV法とは、各自動車メーカーのカリフォルニア州内における総販売台数に応じてZEVの販売台数を義務付け、未達台数に対して高額な罰金を科すという規制でした。

ZEVとは
Zero Emission Vehicle:排ガスを出さない車
という意味です。
バッテリー電気自動車や水素燃料電池車等が該当します。

当時、ZEVはEVのみを対象としていて、かつカリフォルニア州はアメリカで最も多い販売数を誇る“ドル箱”エリアであったことから、メーカーはEVを開発せざるを得なくなりました。

しかし、技術的な問題などから実現可能性が低いという意見もあり規制の実施時期が遅延し、その後EVだけでなく、HVなど他の電動車による補完が一定割合を認められるなどしたため、EVへの関心はまたもや低下していきました。

(5)グリーン・ニューディール政策

リーマンショック後の2009年に誕生したオバマ政権は、景気低迷から抜け出すために、地球温暖化や環境関連事業に投資することで景気回復を図るグリーン・ニューディール政策を打ち出しました。

この政策においてエコカー開発への積極的な補助政策が行われたため、アメリカの大手メーカーのみならず、リチウムイオン電池などの周辺産業も含めてベン
チャー企業が多く市場に参入するようになりました。

しかし、アメリカのシェール革命により原油価格が低下し、EVのメリットである低燃費が希薄化され、EVのニーズはここでも下火になりました。

まとめ

このようにみていくと、最初のEV開発以降、アメリカが環境規制としてEVシフトを誘導しても、メリットの希薄化や技術面でガソリン車等に劣っていたことなどから民間に浸透せず、EVが主導権を得るまで至らなかったといえそうです。

しかし、この度またEVシフトへの機運が高まってきました。
EVが主導権を握るために特筆されるべき環境変化がいくつも絡み合ってきているのです。

その代表が<環境意識の高まり>でしょう。

2015 年にドイツのフォルクスワーゲンによるディーゼルエンジン排出規制の不正事件が発覚しました。

これにより、世界中の消費者が環境基準について多くの関心を寄せ、自動車による環境問題を積極的に意識し始めたのです。

この先、EVがどこまで普及するのか楽しみです。
まず、充電設備などのインフラ整備が急務でしょうが、鶏か卵かどちらを優先するのでしょうか。

政、官、業の思惑のぶつかり合いでしょうか。
こちらも興味深いです。

EVシフトについてはこちらでも詳しく紹介しています。
EVシフトって何!?

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