2019年3月、あのイチロー選手が引退しました。
今さら語る必要もないくらいイチロー選手の実績は周知の事実なわけですが、その引退記者会見で印象に残った言葉がありました。
それは
「いつもバカにされていた。」
「小さい頃にプロ野球選手になるんだと言ったら大人からバカにされた。」
「メジャーで首位打者を獲りたいと言ったら周りからバカにされた。」
という主旨の発言でした。
いや~、あのイチロー選手にしてそんな嫌な思いをしたことがあるのかと妙に感心しました。
「バカにされた」らチャンス
実はこの「バカにされた」→「奮起する」というエネルギーの爆発については誰にでも起こり得ることなんですね。
小さい頃を振り返ってみてください。
かけっこで負けた、習字の練習で自分だけ赤丸が貰えない、自転車の補助輪がいつまでもはずせないなどの悔しい思い出が誰にでもあるはずです。
そんなとき悔しさや怒り、ひょっとして悲しみなどと言う感情をバネにして
「よーし、見ていろ!」
と奮起した覚えがあなたにもあるでしょう。
そしてこのパワーが思いもよらぬさらなるパワーを生み出してあなたのまさに「力」となり、周りを驚かせる結果をもたらす、こんな経験をしたことはありませんか。
いわゆる強運な人はネガティブなエネルギーをポジティブなエネルギーに変換させることが上手だと言われています。
その変換こそが自分に起こるすべてのことを良い方向に動かす「ある種の能力」だと言えるのですね。
ひとからバカにされることはある意味、自分を向上させる「チャンス」なのかもしれません。
ここでポイントになるのは「気持ちの切り替え」でしょうね。
負のエネルギーをプラスの、それも凄まじいエネルギーに変えていくには素早い気持ちの切り替えが必要でしょう。
そういう意味では性格的にいつまでもうじうじと考え込む性格よりも、終わったことは終わったこととすっぱり諦められる性格の方が前向きになれるでしょうね。
イチロー選手の場合は「練習」によりその切り替えを図ってきたのでしょうね。
ルーティーンと呼ばれるストイックなまでの自分流を貫くことにより、より高度な域に達して行ったのかもしれません。
「バカにされた」ときの気持ちの切り替え方
誰かからバカにされると、人によっては落ち込んで自信を失ったり、やはり自分はダメな人間なのかと自己否定したりして気持ち的に立ち上がれなくなったりする場合もあります。
しかし、ひとからどんな言葉を浴びせられようと、受けた衝撃を自分を爆発させるエネルギーに変換することはいくらでもできるのですね。
このときのコツを一つ。
言われたことが完璧にできるようになった自分を想像するのです。
会社で電話の受け応えについて「なってない!」と叱られた場合でも、そつなく受け応えし同僚や上司に繋ぐことができる自分。
家族から「チャーハンがまずい!」と言われた場合でも、中華の達人なみに焦げにんにくの風味の効いたパラパラチャーハンを完璧に作る自分。
「ま~だ彼氏もいないの!?」と10年ぶりに会ったクラスメートから嫌味を言われた場合でも、斉藤工ばりのイイ男と並んで歩いている自分。
それらのちょっと先の自分を想像することで気分も変わり、ファイトも湧いてくるのです。
そうですよ!
そんなことは「ちょっと先の自分」にとっては当たり前のことなんですよ。
そうするとそこに到達するまでのやるべきことが見えてきますね。
あとはそれを一つずつクリアして行けば「ちょっと先の自分」になれるわけです。
いわゆる強運とかツイている人というのはこのエネルギーの変換が上手いようです。
かく言う筆者はどれほど成功しているのかということが気に掛かる方も多いと思いますが、
・・・・・そこそこです。
自己実現の欲求
アメリカの心理学者マズローが唱えた「欲求5段階説」というものがあります。
ご存知の方も多いと思いますが、簡単に述べますと
人間の欲求には
生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→承認欲求→自己実現の欲求
の5段階があるという説です。
本能的な低次の欲求から段階を経て高次元の欲求へと変化していくのですね。
①生理的欲求とは「食べる」「寝る」などのまさに生理的な欲求です。
②安全欲求とは①をクリアしたうえで「安全でいたい」という欲求です。
③社会的欲求とはそのうえで友人や家庭、会社から受け入れられたいという欲求です。所属の欲求とも言われています。
④承認欲求とは社会のどこかに所属したうえで「誰かに認められたい」という欲求です。
⑤自己実現の欲求とは「あるべき自分」になりたいという欲求です。
実は④の承認欲求を阻害されることこそが「バカにされた」状態なのです。
イチロー選手はここを昇華させたうえで⑤の自己実現へ向けて奮起して行ったのですね。
見習いたいものです。