「柿は医者要らず」、はたまた、かの石田三成は首を斬られる前に柿を勧められましたが「柿は腹を冷やすからワシは食さぬ」と言ったとか言わなかったとかいろいろ言い伝えがありますが、とりあえず柿は美味しいですよね。
干し柿も何とも言えない味わいがあって美味です。
平安の頃には干し柿が作られていたという記録もあるそうで、和菓子の原点と言われています。
でも自分で作るには難しいイメージがありませんか。
そこで初心者でも干し柿を失敗せず美味しく作れる5つのポイントを紹介します。
干し柿の作り方
まずは基本的な干し柿の作り方です。
柿の種類は甘柿(いわゆるフツーの柿)でも渋柿でも構いません。
一般には渋柿で作ることが多いようです。
作り方自体は至ってシンプルです。
1.柿を軽く水洗いします。ヘタは取らないように。
2.柿の皮を剥きます。
3.剥いた柿のヘタの部分を紐で縛ります。
4.紐で結んだ柿ごと熱湯に通します。
5.そして干します。
以上です。
簡単ですね。
干し柿を作る時の5つのポイントとは
初心者でもこれさえはずさなければおいしい干し柿ができる5つのポイントです。
ポイント1
1本の紐で次々に柿のヘタの下を縛って行きますが、このとき柿と柿の間隔を十分取ってください。
柿と柿が接触してしまうとそこにカビが発生する原因になります。
ポイント2
柿を熱湯に通すのは5~10秒程度です。
茹でるわけではありませんので。
熱湯に通すのはカビ防止のためです。
ポイント3
干す場所は日当たりが良くて風通しの良い場所です。
軒下に吊るしている光景を見ると日陰の方が良いのかなという印象を持ちますが、実は日当たりが良い方が良いのです。
軒下や物干しの屋根の下に吊るすのは雨除けですね。
雨は干し柿作りにとって最大の敵です。
とにかく濡らさないように気を付けましょう。
そういう意味では夜露も気を付けなければならないので、できれば夜中は屋内に入れておいた方が良いでしょう。
ポイント4
通常2週間程度干しておけばおいしい干し柿ができますが、1週間目くらいから手で軽く揉んでください。
ちょっと皮が固めになったくらいの時期ですね。
このひと手間で甘みが増してきます。
ポイント5
紐で数珠つなぎに縛っていって軒下に吊るすというのはある意味定番の光景ですが、何もそのスタイルにこだわる必要はありません。
洗濯用の物干しピンチハンガーに1個ずつ吊るすという手もあります。
紐通しが面倒という方はお試しください。
干し柿を作る際、焼酎吹きかけは必要!?
これもよく聞きますよね。
干した柿に霧吹きで焼酎を吹きかけるとおいしくなるとかカビを防ぐとか。
渋柿に焼酎を吹きかけ、渋抜きをするという意味では効果があると言えますが、「干し柿」を作る上では直接の意味はありません。
要は「干す」ことによって甘みを引き出すわけです。
また、カビ防止は熱湯通しで行うので焼酎は関係ありません。
干し柿の栄養成分について
体に良いとされ干し柿ですが、いろいろな成分が含まれています。
炭水化物、ミネラル、食物繊維に加えてβカロチン、タンニンなどです。
とくにβカロチンは干すことによって生成される成分で、抗酸化力が強くいわゆる老化現象を抑える作用があるといわれています。
また、タンニンは渋みの成分ですが、こちらも抗酸化物質で美容に良いとされています。
一方、干し柿は甘みが凝縮された食べ物とも言えますので糖尿病を抱えた方などはごく少量に抑えた方が良いとの意見もあります。
なお、干し柿に白い粉が吹いているのをよく見かけますがあれはカビではありません。
柿の糖分が表面に吹き出しているもので甘みも増しているようです。
値段の高い干し柿ほど白い粉を吹いているように見受けられます。
岡山にも「沢田の柿」という有名な柿があるのですが、地元民の私の口にもめったに入って来ません。
自分で作った干し柿をちょっとずつ大事に食べています。
(糖尿なので・・・)
石田三成が言った(ことになっている)通り、柿はお腹を冷やす作用もあるようですのでほどほどに食べた方が良いでしょうし、干し柿も摂り過ぎない方が良いでしょうね。
なにごとも「ほどほど」です。