「ルパンの消息」横山秀夫ーあらすじと感想、読み所

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ルパンの消息 横山秀夫ー青春の甘酸っぱさ×女性教師変死の謎

横山秀夫氏のデビュー作、「ルパンの消息」です。
処女作からこんなにすごいものが書けるのかと驚嘆しました。
何かしらバックボーンとして積み重ねたものがあるのかも知れないなと感じました。

ちなみに「ルパン」は怪盗ルパンのことでもなくルパン3世のことでもありません。
しかし、重要な意味を持っています。

「ルパンの消息」出だしのあらすじ


喜多は30歳過ぎへのごく平凡な会社員で妻と子供との3人暮らしです。
特に野心もなく、家族を守りながらこのまま平々凡々と暮らしていくことが当然と考えていました。

ある朝、突然に、そうあまりにも唐突に喜多の家に二人の刑事が訪ねて来ます。
具体的な容疑の内容も告げず強引に任意同行を求められます。

呆然とする妻や子供に「何かの間違いだ。すぐ帰って来る。」と言い残し喜多は刑事に連れられ警察へと赴きました。

実は警察には前夜、一本の通報電話(タレコミ)があったのです。
15年前にある高校で起きた女性教師の自殺事件は実は殺人だったのだと。
そしてその犯人が喜多を始めとする3人の不良グループであったというものでした。

時効寸前、信ぴょう性の薄いタレコミ電話を受けてなぜ警察は本気で動こうと思ったのか、事件は思わぬ方向に展開していきます。

「ルパンの消息」の読みどころと読後感


いや~、面白いですよ。
息もつかせない展開とはまさにこのことでしょう。

舞台は主に取調室となります。
喜多を始め次々と当時の事件関係者が警察に集められ、それぞれ別の取調室で刑事の質問を受けています。

当時の学校関係者として校長はじめ死んだ女性教師の同僚、喜多の彼女などを警察に呼び出し、それぞれの記憶を呼び起こさせます。
刑事たちと関係者との緊迫した応酬が読みごたえあります。

物語全体は現在の取調室の様子と、15年前の喜多たちの様子が行ったり来たりという展開で構成されています。

読みながらこれをドラマや映画にすると俳優さんたちのメイクが大変だろうなと思いました。

18歳の若者と30歳過ぎの青年をひとりで演じさせるのか、俳優を変えるのか難しい演出になるだろうと思いましたね。

後に実際にドラマになったようですが残念ながら私は見ていません。
いや、もしかしたら見ない方が良かったのかもしれません。
やはり小説をドラマや映画にすると行間の妙が描かれませんからね。

やがて刑事たち、いやその中の一人の敏腕刑事が昭和の事件史に残る3億円事件との関わりを見出します。

突然、3億円事件かと思いましたが小説は空想の産物と考えれば素直に読めます。
そしてその解明のプロセスがまた興味深いものがありました。

徹夜で一気読みしてしまう面白さでした。
おすすめです。

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