読んだら疲れてる。分かりやすいけどハマる山田悠介の「スイッチD」
「リアル鬼ごっこ」という小説をご存知ですか?映画でも実写化された大人気小説で、その作者である山田悠介が書いたのが「スイッチD」です。彼の作品は非常に分かりやすく、小説に馴染みがなくても読んで楽しいのが魅力的です。私も難しい事を考えずに読んでいました。
スイッチDのあらすじ
主人公の優奈は、大学のテニスサークルに所属していました。
ある日、サークル仲間と謎の部屋に拉致されてしまい、そこから壮絶な生き残りゲームが始まります。
まず7人がいる第1位の部屋には、水が流れてきます。このまま浸水したら全員死にますが、誰かが犠牲になってドアの開閉スイッチを押し続ければ他の6人は助かります。
そこでサークル仲間の1人が犠牲になり、他の6人は次の部屋に行くのでした。
このように、1人が犠牲になっては次の部屋に行きを繰り返していくのがあらすじです。
なぜそんな生き残りゲームをやるの?とか、なぜ優奈達が選ばれたの?などの説明は一切なく、ただ繰り返しのゲームです。
スイッチDの感想、読み所
なぜこんなゲームをやるのかと疑問が頭に付いてまわりますが、それは最後まで明かされませんので期待はしない方が良いです。
見所は、この残酷な繰り返しループで生まれる人間模様だったり、どんな残酷な部屋が続くのかというドキドキ感です。
ある部屋は椅子に電流が仕掛けられていたり、薬で生き残りを決めたりと、色んな仕掛けがあるのでビクビクしっぱなしです。
そして、どの部屋も誰かが犠牲にならなければ開きません。
誰が犠牲になるのかは、立候補だったり偶然死んでしまったりです。
グループのリーダーの責任感とか、恋愛模様などが描かれています。
誰がどんな風に犠牲になっていくのかもドキドしっぱなしでした。
さすがリアル鬼ごっこの作者が書いた作品です。
アドレナリンが止まらず、読み終わった後は疲れます。
そして、自分が主人公になって生き残りゲームが夢に出てきそうにな気分になります。
で、最後にはもちろん主人公の優奈が生き残るのですが、生き残った彼女には衝撃のラストが用意されています。
一体何がしたいんだ?続編は?と次が気になるのですが、続編はありません。
続編で全て明らかになるのは、この作者の作風だとあまり考えられないので、それも「スイッチD」に味を付けてます。
難しい事を考えずに今の場面を思い浮かべながら読むとスリリングで読み応えあります。
ミステリー小説など難しい小説の合間に読む箸休めみたいなもんです。
一風変わった作品に興味ある方はご一読を。
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