「神の手」久坂部羊

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久坂部羊氏の「神の手」です。

久坂部羊氏は大阪府生まれで、大阪大学医学部卒の現役医師です。

2003年に「廃用身」で作家デビューし、医療小説の第一人者として活躍されています。

「無痛」はテレビドラマにもなりましたね。

西島秀俊さん主演で見ごたえのあるドラマでした。

「神の手」のあらすじ

京都の市立病院で外科部長を勤める白川は腕の良い外科医として患者からもまた病院の内外からも高い評価を受けていました。

しかし、担当している若い患者、古林章太郎は末期のガン患者でもはや死を待つばかりの状態でした。

母親の康代はテレビのコメンテーターとして活躍していましたが、息子の危篤状態の報を受けても仕事が忙しいからと病院に駆けつけない愛情薄い母親でした。

白川は母親の妹に泣きつかれて最後の手段として安楽死を選択したのでした。

章太郎の死後、白川は院内の調査委員会や警察の取り調べも受け、安楽死の事実を認めたのでした。

ところが、起訴の段階になって不思議にも不起訴となり白川自身も狐につままれたような気がしていました。

担当だった刑事は
「あんたにはよほど強力なバックが付いているんだな。」
と嫌味を言っていましたが、白川には全く心当りがありません。

一方、息子を白川の独断で安楽死させられたと思い込んでいる母親康代は、テレビや新聞のコネを駆使して白川の糾弾に奔走するのでした。

やがて政府の思惑も絡み、事は「安楽死賛成派」と「反対派」との国民意見を二分する論争へと発展していきます。

賛成派の筆頭医師・新見の謎めいたカリスマ性、内閣をも自在に操る大物政治家、さらにその政治家が傾倒する「センセイ」と称される人物と複雑な人間模様とパワーが交錯していきます。

果たして安楽死は是か否か、正義か悪魔か。

白川は自らの関知できない世界で翻弄されていきます。

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上巻

神の手 上 (幻冬舎文庫)

下巻

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「神の手」の読後感

久坂部羊氏の作品では当然ながら医学知識、用語がふんだんに出てきます。

素人にはわからない用語も多いのですが、実はそれが医療小説の面白さだったりします。

普段、立ち入らない世界だからこそ全てが新しく興味深く体に入ってきます。

そしてテーマの安楽死についても現代に生きる私たちは、自分のこととして真正面から向き合う必要があるのではないかと考えさせられます。

医療小説と思いきやサスペンスの趣もあり、決して素人を飽きさせることなく最後まで読みきらせてしまいます。

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上巻

神の手(上) (幻冬舎文庫) [ 久坂部羊 ]

下巻

神の手(下) (幻冬舎文庫) [ 久坂部羊 ]

「神の手」はドラマに

この小説、ドラマになるらしいですね。

椎名桔平さんが白川役で主演だそうです。

背景をどれだけリアルに描けるかがドラマ成功のカギでしょうね。

新見一派の快進撃、そして凋落振りをどのように描写するのか興味深いところです。

安楽死賛成派の意見も反対派の意見もどちらにも理はあるのです。

それだけに難しいテーマです。

この作品を読んで、また見ていろいろと考える機会にしたいと思います。

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